2014年09月21日

財界ナンバー2だった大宇グループ解体の「真実」 ④


金大中元大統領は、1997年12月の大統領選挙に勝利するやいなや金宇中・大宇グループ会長(以下、金会長)に「経済大統領になってほしい」と要請しています。

金大中元大統領は、大統領候補者中、唯一の「IMF再交渉論」を提起した人物。当時は、IMFプログラムに従い、徹底的な構造調整を行わなければならないというのが、経済官僚や国内外の言論人大多数の意見でした。

「世界を経営する民族主義者」という金会長の考えは、「年間貿易黒字500億米ドルを達成して、IMF体制からの早期脱出」。新興国の通貨危機の様子を皮膚で知る金会長は、「IMFプログラムは、韓国経済を助けるのではなく、韓国を国際金融機関による管理下に置くことを狙ったもの」だという確信があったそうです。

金会長はさらに、「韓国は通貨危機に陥ったけれども、世界経済は問題なし」と判断。「ここまでウォン安が進めば、石でも輸出できる」とし、「1兆米ドルに相当する国内の生産設備を最大限活用して輸出を拡大することで雇用を維持し、危機を脱出すべき」と主張しました。

確かに、1997年の貿易収支は当初、わずか28億米ドルの黒字と予想されていましたが、ふたを開けてみると416億米ドルの黒字でした。

しかし、この過程で、金会長と経済官僚は激しく対立します。

なるほど、この流れで見ると、1998年7月の「コマーシャルペーパー(CP)限度制限措置」と同じく10月の「社債発行限度制限措置」は、大宇グループの資金調達を妨げることを狙ったものと解釈することもできるかもしれません。

青瓦瓦(大統領府)のカン・ボンギュン経済首席秘書はその後、大宇グループの総負債が1997年末の28兆7,000億ウォンから、1998年9月に47兆7,000億ウォンに達したという報告書を作成。特に、「短期の借り入れが急増しており、海外の法人・営業所に在庫を積み上げるだけの輸出から算出できる売上債権を基盤にした運転資金の調達が続いている状況」と評価しました。

大宇グループは資金不足に陥ったあげく、国際決済銀行(BIS)基準の自己資本比率を達成するため、金融圏による大宇グループからの資金回収の動きが激しくなり、1998年8月、経営再建(ワークアウト)に突入することになりました。

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2014年09月12日

財界ナンバー2だった大宇グループ解体の「真実」 ③ 


金宇中・大宇前会長は、大宇自動車を二束三文で米GMに売却した韓国政府の判断の誤りを、GMが逆説的に証明したとしています。

その証拠として、

・中国市場では後発組のGMと上海汽車集団の合弁メーカー、上海通用汽車(上海GM)がシェアトップとなった。
・同社の成功をけん引したのは、ベストセラーカー「ビューイック・エクセル(凱越)」で、同社は大宇自が開発した「ヌビラ」(韓国では、GM買収後は「ラセッティ」に車名変更)の車名を変えたもの。
・大宇自の軽自動車の「マティス」も買収後は、「シボレースパーク」に車名を変え、上海GMの中国市場での成功に貢献した。

などの理由を挙げています。

金前会長は、大宇自のGMへの売却で韓国経済が被った損失を210億米ドルを超えると試算。これは、韓国が通貨危機からIMFから借りた金額に匹敵します。

金前会長は、大宇自は韓国政府が言うところの「失敗した投資」どころか、成功の1歩手前にあり、GMからは戦略的提携を結ぼうとの提案があったことを何度も政府に話したようです。金前会長の「経済官僚による大宇企画解体論」の根拠となる部分です。

しかし結果として、97年7月に大宇自とGMの交渉は決裂。金融監督委員会の李憲宰委員長(当時)は、「提携は最初から難しかった交渉。GMは大宇自が抱えている問題を見抜いていた」と2012年に発表した回顧録で述べています。

大宇解体の「正史」と「真実」の間には、金前会長と経済官僚との間での通貨危機克服方案をめぐる激しい葛藤があったようですが、続きは次回に。

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2014年08月28日

財界ナンバー2だった大宇グループ解体の「真実」 ② 大宇グループとは?


まずは、大宇グループについて説明します。

佐桑徹著「韓国財閥解体」によると、
大宇の1998年における資産総額は62兆ウォン(約6兆2,000億円)と現代グループに次ぐ第2位(サムスングループよりも上だったんですね)。でした。

ちなみに、Korea Timesは、資産総額83兆ウォン、年間売上高62兆ウォンと報道しています。

大宇のモットーは、「世界経営」。

系列会社に、大宇自動車のほか、大宇重工、大宇精密、大宇証券、大宇電子など41社を抱えて、海外で396の法人や支店、事業所を展開していました。

会長の金宇中氏(以下、金前会長)は、サラリーマン出身で、1967年に資本金500万ウォン、従業員5人から会社をスタートさせ、日本の経団連に相当する韓国の全国経済人連合会の会長まで務めた、まさに立志伝中の人物でした。

しかし、大宇の最大の課題は巨額の負債。97年末の負債額は42兆7,000億ウォンでした。「買収王」と呼ばれた金前会長のグループ拡大路線のツケが回ってきた感じです。

一方で、ライバルのサムスンやLGは着実に負債額を減らしています。

しかし、強気の金大宇前会長は、双竜自動車の買収など拡張路線を継続しようとします。

その結果、グループの構造改革に遅れ → 流動性危機説が広がる → 銀行からの融資が途絶える → 社債や企業手形(PC)の発行に頼る → 負債がさらに増加、というサイクルにはまってしまい、負債総額は、98年末に59兆9,000億ウォン、99年には資産を上回る86兆ウォンと雪だるま式に増え、とうとう、債務超過状態に陥り、資金もショートしてしまいました。

ここで朝鮮日報日本語版の「大宇」の解体の流れをそのまま転載しますと、

1997年11月 韓国政府、IMFに金融支援要請
   12月 金大中大統領が当選、年末に1米ドル=2,000ウォン、コール金利30%に迫る
1998年2月 大宇-GMが提携覚書締結
   7月 李憲宰金融監督院委員長「大宇とGMの提携は決裂した」
   10月 野村證券「大宇グループに非常ベルが鳴っている」という報告書
   12月 大宇・サムスン間の事業交換(いわゆるビッグディール)推進を発表
1999年6月 サムスン自動車の法定管理(会社更生法適用申請に相当)、ビッグディール交渉決裂
   7月 大宇、金前会長の資財を含む12兆ウォンを担保差し入れ
   8月 大宇、債権団体主導の再建(ワークアウト)申請

という流れです。

まとめますと、これまでの大宇解体の「正史」は、「買収による拡大路線を突き進んだ大宇が、大宇自動車の経営悪化によって没落した」ということになります。

韓国政府も、大宇解体以降は、他の系列会社は救済したけれでも、大宇自動車だけは、米GMに二束三文で売却しています。政府は、「大宇自動車の経営がますます悪化し、国民経済が大きな被害を受けることを防ぐため」と売却理由を説明しています。

続きは次回に

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2014年08月27日

財界ナンバー2だった大宇グループ解体の「真実」 ①

経営悪化で、当時、現代に次ぐ財閥ナンバー2だった大宇グループが解体して15年。

シンガポール国立大学のシン・ジャンソプ経済学科教授が、同グループ会長だった金宇中氏(以下、金前会長)との対談をまとめた本「金宇中との対話-まだ世界は広く、やるべきことは多い」を出版。この本の中で、金前会長は大宇の解体の「真実」について口を開きました。

結論は、当時の金大中政権の経済官僚たちの政治的な判断による「企画解体」だったとのこと。

本の中で、金前会長は、アジア通貨危機後の大宇グループの命運をかけた、経済官僚たちとの間で起こった葛藤や、20回にわたって金日成と金正日親子と会談するなど当時の緊迫した状況を詳細に語っているようです。

これから、経済トゥデイという韓国のメディアが同書の内容をまとめたものを、ちょっとずつアップしていきます。

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2014年08月22日

次々と明るみとなる韓国軍内での新人兵士へのいじめや虐待行為


韓国軍内での新人兵士へのいじめや虐待行為が次々と明るみとなり、社会問題となっています。

28師団のユン一等兵が4月に部隊内で殴打され死亡した事件に続き、先日は、京畿道の南景弼知事の長男が新人兵士に暴行を加えていたことが分かり、南知事は厳しい表情でおわび会見を行いました。

国防部は現在、「健康な兵営文化造成キャンペーン」を展開中です。

国防新聞の最終面に連日全面広告を掲載しています。

20140822_163740.jpg

コピーは、
「先輩・・・
 後輩・・・
 同僚・・・
 みんなファイティング!」

「一緒にいる喜び
  わたしたちは戦友です」

 となっています。

写真を見たらお分かりでしょうが、

家族からの手紙を満面の笑顔で読んでいる兵士を同僚兵士が横から笑顔でのぞき込んでいる写真や、贈り物を受け取った先輩兵士を7~8人の後輩兵士が笑顔で取り囲んでいる写真が掲載されています。先輩兵士は今にもその贈り物を後輩に上げてしまいそうな雰囲気です。

メディアを通じて耳にする兵営の様子と全面広告の写真のイメージのギャップが事態の深刻さを物語っているように感じるのですが・・・

いずれにせよ、息子のいる親は深刻。

心から「健康な兵営文化造成」の願います。

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